コラム

ゲームのお誘い

シェアードサービス1部 4課 西尾 知亜紀

暇つぶしにゲームを致しましょう。
自分が好きなものを紹介するプレゼンゲームです。
相手に価値を認めさせたら勝ち。
では私から先行です。
この絵に自由な値段を付けて下さいと言われたら、皆様はお幾らの値を付けますか。

これはアメリカの画家・ジャクソン・ポロックが1950年に描いた『秋のリズムNo.30』という絵です。
ちなみに現代のアート界におけるこの絵の適正価値は136億円と言われています。

では、これからこの絵が136億の価値と評されている理由を三つ説明致します。
ご納得頂けたなら私の勝ちです。では始めます。

まず一つ目。
この価格は適当に付けられたものではありません。
オークションという需要と供給が直接的に出会う市場で、相互同意によって合理的に決められたものです。
この絵の価値は発明の価値だと言われています。
この絵は絵の具をそのまま垂れ流し、巻き散らす手法で描かれています。
これはアクションペインティングという手法ですが、名前は知らなくてもその行為自体は皆様も子供の頃におやりになったのではないでしょうか。
それを大人になっても行い、芸術作品として発表したのがポロックという人物です。
子供でも出来る行為で描いたものを絵画芸術として発表するという閃きに対する評価。
それがこの価格です。

二つ目。
この作品、『秋のリズムNo.30』は余白が語る絵画だと言われています。
愛好家の間では黄色く色づいた木の葉がはらはらと散る様が描かれていると言われていますが、この絵からすぐにそれが見いだせるでしょうか。
ポロックはNo.30という副題をあえて付けています。
彼の作品のほとんどには番号や記号が付けられています。
彼は、その意図を無機質な番号が作品に解釈の自由を与えるからだと説明しています。
鑑賞者に解釈の自由を与える一方で、彼はこれらの垂れ流しや巻き散らしを全て計算の下で行っていると説明しています。
自由を認める一方で、画家として作品を絵画の枠に規定しているのです。
これは、正規の絵ではない絵を描いた彼が、画家として画壇で自らの立ち位置を確立するための独自の手段であると言えるでしょう。
インディアンの伝統芸術に触発されてアクションペインティングという手法を確立。
生涯を通してアルコール依存症に苦しみ、44歳の若さで事故死した彼らしいアイディンティティの確立方法であるとも言えます。

最後に三つ目。
この絵は自由を感じるから好きだという人が多くいます。
事実この絵は巨大です。
266.7㎝×528.8㎝にのびのびと描かれた絵画の躍動感に魂の解放に通じるものを感じませんか。
この絵は自由という枠内で、それぞれの人の感性に合った解釈を許しています。
世界に二つとないものの価格は自ずと上がります。
感性に由来するがゆえに、二度と同じ解釈を持つことが無いことがこの絵の唯一無二の価値であり、魅力です。

いかがでしょうか。この絵に136億円の価値があると思われましたか。

では役割交代。
次は皆様が好きなものとそのものの客観的な適正価格、その価格になっていると考えられる理由を三つお話下さい。

・・・それがすごいということは分かりました。しかし・・・。

・・・この感覚は、何かに似ていると思われませんか。

作り上げた数字の価値を、それをまとめ上げる苦労を知らない方々に説明する時の感覚。
簿記や会計がそれ相応の投資に見合うものであると、理解して頂かなければならない時の感覚。

「この数字をなぜ集めなければならないの?」
「簿記ってどこが面白いの?会計って何の意味があるの?」
経理や会計のお仕事をさせていると、こんな質問を投げかけられた経験が、一度はおありになるのではないでしょうか。
ある意味でポロックの絵画は、説明によって現代美術に昇華されたと言えます。
ですが、現代アートの専門家でない私には136億の価値に見合う適切な説明が出来ません。
人が何に価値を見出すかは人次第。
そして人を動かすのは説明です。
皮肉にも現代は、ありとあらゆる行動に説明が求められます。
数字を集めるためには費用が必要です。
そしていかに苦労して収集した数字でも、間引きをして適切な説明を添えなければ、羅列のまま腐ってしまいます。
私達はアートの専門家ではありませんが、会計アウトソーシングの専門集団として、収集した数字を、会計の原則の中で活かすことを考えながら日々業務に取り組んでいます。
会計と共にあるものとして、皆様が行っておられる業務の価値を最も効率的な方法で内外にお伝えすることが出来ます。
今のお仕事のご不満を、ぜひお聞かせ下さい。
今のお仕事が数字の収集作業になってしまっている場合は、客観的な視点から本来のお仕事の価値を取り戻すサポートを、お仕事の価値をより高めたいということであれば、研磨のサポートをさせて頂きます。

ページの先頭へ