コラム

宝石箱のような会計基準

シェアードサービス2部 3課 公認会計士 國見 琢

皆様は会計基準(日本基準)がどのように作成されているかご存知でしょうか。

会計基準は公益財団法人財務会計基準機構(FASF)内に設置されている企業会計基準委員会(ASBJ)がその議決に基づき設定します。(詳細はFASFのウェブサイトをご覧ください。)
ASBJの委員は公認会計士・学者・財務諸表作成者・財務諸表利用者などで構成されており、まずは公開草案の公表に向けて審議が重ねられるのが一般的です。

ASBJの審議は原則として一般に公開され、また、ウェブキャストが一定期間FASFのウェブサイトで視聴できるようになっています。
余談ですが、このウェブキャストの視聴は私の楽しみの一つです。
様々な立場の委員のお考えやASBJ事務局の分析・提案内容等を拝聴することができるため大変勉強になります。

最近のASBJの審議で個人的に特にワクワクしたのは以下の3点です。

・仮想通貨(暗号資産)交換業者が顧客から預かった仮想通貨を貸借対照表に計上すべきか否かという論点について、所有権の観点から現金や有価証券と比較して検討されていた点
・すべてのリースについて資産・負債を認識してIFRS第16号や米国基準Topic842との整合性を図るか否かの検討の際に、日本における賃貸借契約の規定の観点から懸念が示されていた点
・マイナス金利の状況下での退職給付債務等の計算方法の検討の際に、委員の意見が真っ二つに分かれて白熱した議論が展開されていた点

公開草案が公表されると、同時に広く一般からのコメントを募ります。
コメントは大手監査法人や関係する業界団体等から寄せられることが多いのですが、個人でもコメントを提出することができます。
私も個人として何度かコメントを提出したことがあります。

コメント募集締切後、ASBJで公開草案に対して寄せられたコメントを踏まえてさらに審議を行い、必要に応じて公開草案の内容を一部修正したうえで会計基準が公表されることとなります。
私のコメントもASBJで取り上げていただき、会計基準に反映していただいたこともありました。

このように会計基準は多くの人の意見を集約して作成されます。
会計基準は様々な立場にある多くの関係者の知見が鏤められた宝石箱のようなものなのです。
ここのところ毎年のように新しい会計基準の開発・既存の会計基準の改正がなされており、その度に対応に苦慮されている方もいらっしゃるかと存じます。
もしかしたら会計基準開発・改正の必要性に疑義をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、やはり会計基準開発・改正は必要なことだと考えます。

というのも会計は企業の取引・経済事象を描写する役割を担っています。
そのため、企業活動や社会が変化すればそれに伴い会計基準も変えていく必要があるのです。

近年、企業活動の複雑化・多様化・国際化等に伴い、会計基準についても複雑難解なものが多くなってきています。
加えて、企業の情報開示について、企業と投資家の建設的な対話の促進という観点から、ルールへの形式的な対応にとどまらない開示の充実が求められてきています。
これらの結果、経理関連部署で対応すべき業務の量が増大し難易度も高くなってきているものと推察します。

その反面、人手不足や働き方改革等により時間は一層限られてくることが見込まれます。
このような難局を乗り切るための方策としてどのようなことが考えられるのでしょうか。

救世主の候補としてICTとシェアリングが挙げられます。
昨今では情報通信技術の利活用や複数企業での資産・知識・スキル・ノウハウなどの共有によって、業務の効率化や高度化を図ることが可能となってきています。

弊社は財務会計および経営情報作成活用の専門家集団として、専門知識と実務経験に裏打ちされた連結決算アウトソーシング事業などを展開しております。
一口に専門家と申しましても、弊社内には多様な人材がおりそれぞれ得意分野がございます。
各々が得意分野を磨きつつ力を合わせながら高品質なサービスを提供して参る所存です。
経理関連部署の業務の効率化・高度化といった領域でお役に立てれば幸甚に存じます。

ページの先頭へ