コラム

エクセル・ERPとトレジャリーマネジメントシステム(TMS)の違いは何なのですか?

エクセル・ERPとトレジャリーマネジメントシステム(TMS)の違いは何なのですか?
この質問もお客様とディスカッションの際によくある質問です。

エクセルは財務部で一番使われているシステムで、悪い点は何もなく、複雑な計算処理には欠かせません。しかしながらエクセルは複雑な処理プロセスや、内部統制、他のシステムとの連携を主目的として設計されておらず、それらの目的の達成のためには多次元のデータベースが必要となります。エクセルは数値が登録されなければ何も始まりません。TMSはデータベースを用いて複雑な処理プロセスが実現できるように設計されたアプリケーションです。ERPやTMSとともに利用する場合においては、エクセルはとても素晴らしい補完的なツールなのですが、もし、エクセルのみに完全に依存している場合には、効率性・信頼性・プロセスの最適化・データの可用性に関する問題を内在していると言えます。

次にERPシステムはどうでしょうか?ERPシステムとTMSの違いは何でしょうか?ERP(Enterprise Resource Planning-経営資源の統合管理-)の名前そのものが違いを明確に表しています。ERPシステムは調達から販売までのプロダクトチェーン全体を取り扱います。そこでのトレジャリーの果たすべき役割は何でしょうか?トレジャリーは将来を見据えたボラティリティに対するヘッジの実施や、安全で信頼性の高い処理プロセスを構築する役割があり、その結果がERPに反映されます。ファイナンス業務がERPでカバーされている場合、トレジャリー業務の活動結果はERPで計算される財務諸表として表現されます。 しかしながらそもそも、ERPシステムはトレジャリーの業務向けに開発されているものでもなく、トレジャリー業務はERPシステムのために行っているものではありません。 確かにERPシステムはトレジャリー業務の一部を取り扱うことは可能ですが、それは決して効率的ではありません。

世界中のグループ会社を持ちビジネスを行っている会社にとって、TMSは本当に最適なソリューションです。しかし一般的にはTMSは高価で、さらに導入作業が難しく、トレジャリー担当およびシステム担当の両方のかなりのリソースを必要とすると考えられてきました。しかしながら近年のSaaSソリューションでは、月額15万円以下で利用可能になってきています。SWIFT接続が必要な少々規模の大きい場合でも月額30万円程度で利用が可能です。しかも、一度ライセンスを購入すれば利用ユーザ数に寄らず利用可能で、ユーザ追加による課金は発生しません。ERPを導入する場合はこれよりコストもかかり時間もかかります。さらに、大規模なシステム導入となると、各子会社の管理者に協力してもらうために本社CFOのコミットメントが必要になり、プロジェクト運営上効率性が阻害されてしまいます。

いかがでしたでしょうか?

次回のコラムは

トレジャリー業務の改革はどこから着手するのがよいでしょうか?

を予定しています。

コンサルタント・深山

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